ぜんぶ、ちょうだい。




朝、挨拶できなかったから、今日はもうダメかと思ってた。


一日が灰色になる覚悟してた。


でも、今!この瞬間!泉先輩の姿、拝めてます。



「急に機嫌いいな?さっきなんかあったの?」



清水が、私と同じように窓の外を見ながら言った。



「朝、先輩に会えなくてちょっと…」



声が自然と柔らかくなる。


だって、今は泉先輩が視界にいるから。



「いつも同じ時間に来てんじゃなかった?」

「そうなんだけど…」



でも、もういいの。


今、こうして泉先輩を拝めてるから。



体操服姿、青いラインが入ってて、なんかスポーティーで爽やかで、いつもよりちょっとラフなのに、逆にかっこよさ増してるってどういうこと!?



もしかしたら、体育のせいでいつもより早く登校したのかもしれない。


それなら、校門で待ってても会えないわけだ。納得。