ぜんぶ、ちょうだい。




おはようございます。


吉川小鞠、今日も元気に校門前でスタンバイ中!

昨日の事件(?)でちょっとだけ心が折れかけたけど、復活しました。


だって、昨日は初めて!泉先輩と!お話しできたから!

……まあ、内容はアレだったけどね。


「諦めてね」って、バッサリ。

「ストーカー」って、ズバッと。



昨日の夜は、布団にくるまってずっと考えてた。

先輩の言う通り、諦めた方がいいのか。 迷惑かけたくないし、先輩の学校生活を壊したくなんてない。



だから、静かにひっそりと眺めるだけにしようって、ほんとにギリギリまで、そう思ってた。


でも、いざ学校に着いてみたら、やっぱり先輩の顔を見ないとなんか落ち着かない。


遠くからでもいい。一瞬でもいい。

先輩が今日も元気に登校してるってわかるだけで、私の一日がちょっとだけ明るくなる。


……私の存在、迷惑極まりないとは思う。

でも、それでも、どうしても先輩に近づきたい。



「こまちゃん、もうチャイム鳴るよ?」



ひまちゃんがスマホを見ながら、軽く私の腕を引いた。


えっ……うそ。

もうそんな時間?

泉先輩、いつもならとっくに通ってるはずなのに。



「行くよー、遅刻するってば」



ひまちゃんに引きずられるように、私は教室へ向かった。