【完】ぜんぶ、ちょうだい。





3年生になってクラス替えで離れてしまったけど、それでも今こうして一緒にご飯を食べて、他愛ない話ができる関係でいられるのは、本当にありがたいと思う。


大学生になってからも、ひまちゃんや清水みたいな友達ができるのかな。
そう考えると、楽しみよりも先に、不安が浮かんできてしまう。



「はー……。私、ちゃんとやっていけるかな」



思わずこぼれた本音に、ひまちゃんが迷いなく言う。



「こまちゃんは大丈夫でしょ。泉先輩いるんだし」

「それは別というか……」



そう返しかけた、そのときだった。

ぶぶっ、と振動して、スマホの画面が突然灯る。
通知欄の上に表示された時間は、もう13時半を過ぎていて、思わず息をのんだ。



「……って、もう時間だ……!」



思ったよりも、ずっと時間が経っていた。
楽しいと、どうしてこうもあっという間なんだろう。



「先輩によろしくねー」



ひまちゃんの声に、はーい、と返事をして、2人に手を振る。名残惜しさを感じる余裕もなく、私は慌てて席を立って、ファミレスを後にした。


まずい。
完全にまずい。


この時間だと、乗るはずだった電車はもう出てる。
頭の中で時刻表を思い出して、さらに焦りが増す。