【完】ぜんぶ、ちょうだい。




離れたくない。
先輩と、もっと一緒にいたかった。


もし、私が先輩と同級生だったら。
そしたら、授業も、行事も、何気ない毎日も、全部の思い出に先輩がいたのに。


……だって。


先輩の思い出の中に、私はいないでしょ?


そう思ったら、胸が痛くて仕方なかった。


無理なことだって、分かってる。
年齢なんて、どうしたって変えられない。


一番欲しいものが、絶対に手に入らない。

そう分かっているのに。



先輩。
どこに行くときでも、何をするときでも。

先輩の真ん中には、私がいたいのに。

先輩の全部に、私がいれたらいいのに。



そんなこと、叶わないって分かってるのに。
それでも、願わずにはいられなかった。



「朝、毎日駅で会おう。放課後は、迎えに行く」



先輩は、当たり前みたいな顔で言う。



「修学旅行とかは行けないけど、その分、二人で旅行にしよう。一人暮らしするし、いつでも泊まりに来ていいよ」



一つずつ、未来の話を重ねるみたいに。