【完】ぜんぶ、ちょうだい。




強がれなくて、気持ちがそのまま涙になって、ぽろぽろこぼれる。


桜の花びらが、私たちの間を静かに舞い落ちていった。


今日が、本当に「最後の日」なんだって。
やっと、実感してしまったから。



「先輩と同級生だったらって……やっぱり、どうしてもっ……」



言葉にした瞬間、胸の奥に溜めていたものが一気にあふれ出す。



「もっと、一緒に勉強もしたかったし。毎朝、おはようって言いたかったし……もっと、もっとっ……!」



欲張りなのは分かってる。
でも、止められなかった。



「……卒業しても、変わんないよ。なにも」



先輩は、落ち着いた声でそう言う。



「うそっ……」



首を横に振りながら、必死に言葉を絞り出す。



「学校来ても、先輩はいないし……朝、おはようも言えないし……一緒に帰ることも……修学旅行だって、学祭だって……」



声が裏返って、涙で前が見えなくなる。



「いないじゃないですかぁっ……!」

「変わんないよ、小鞠。なにも、変わんないから」



優しいのに、どうしようもなく遠い言葉。



「うっ……うわあぁ~~んっ……!」



もう、だめだった。
我慢なんて、全部崩れて、声を上げて泣いてしまう。