【完】ぜんぶ、ちょうだい。




先輩がいたから。
先輩と出会えたから。


私の高校生活は、ただの毎日じゃなくなった。


笑って、悩んで、泣きそうになって。
何気ない一日一日が、きらきらして見えた。


全部、先輩がいたから。



『最後になりますが、この高校で出会えたすべての人、すべての時間に、心から感謝を込めて』



答辞が、いよいよ終わりに近づいていく。



『私たちは胸を張って、次の一歩を踏み出します』



胸を張って。



『本当に、ありがとうございました』



その言葉と同時に、体育館に拍手が広がる。



ぱち、ぱち、ぱち。
音が重なって、大きくなっていく。



私も、手を叩く。
でも、視界はもう、はっきりしない。



ありがとう。
この学校で、先輩に出会わせてくれて。



ありがとう。
先輩と過ごした、全部の時間。



拍手の中で、そっと心の中だけでつぶやく。



――先輩。

卒業、おめでとう。



そして。
私の高校生活を、こんなにも輝かせてくれて。


本当に、ありがとうございました。