【完】ぜんぶ、ちょうだい。




「小鞠、何考えてんの?」



箸を止めた先輩が、こちらを見る。



「……え?」

「ずっと、泣きそう」



図星すぎて、言葉が詰まる。



「……。」



だって。
もう、時間がない。

先輩は卒業して、環境が変わって、私たちは離れ離れになって、その先どうなるかなんて、分からない。

そんな私の沈黙を、先輩は少しだけ眉をひそめて見つめてから、低い声で言った。



「もしかして、別れるとか考えてる?」

「えっ、いや! そうじゃなくてですねっ……!」



慌てて否定すると、先輩は少しだけむっとした顔になる。


――あ、やばい。


なんて言えばいいんだろう。
どう言えば、困らせない?
どう言えば、この気持ち、ちゃんと伝わる?



言葉を探している間に、先輩が口を開いた。