やっぱり、いつもと違う。
メイクされた顔は、なんだかキラキラして見える。目の奥の印象も少し変わった気がして、自然と胸が少し弾む。
その瞬間、ポケットに入れていたスマホがブブッと震えた。
慌てて取り出すと、画面には泉馨。
「…っ!?」
思わず息を飲む。せいぜい既読無視されると思っていたのに、まさか返信が届くなんて。
心臓がバクバクして、呼吸を一瞬忘れるほどだった。
画面を見ると、短いメッセージ。
『先に待ってる』
え、もう、どうしよう…!
本当は自販機に行く予定だったのに、今すぐには行けなくなる。
ひまちゃんには、戻ってから土下座するか、それかジュース二本買って謝ろうかな…なんて、慌てつつも考える。
鏡越しに自分をもう一度見つめて、深呼吸。
――よし、落ち着け、私。
卒業、という言葉を聞いてから、胸の奥がずっと小さく震えている。
でも、大丈夫。
水元先輩のおかげで、朝の私より何倍もかわいい。
鏡に映った自分は、少し大人っぽくて、知らない誰かみたいで。
もしかしたら、泉先輩が「かわいい」って言ってくれるかもしれないし、惚れ直す、なんてことも……あるかもしれないし(?)



