「わたしら、もうちょっとで卒業じゃん?小鞠ちゃん、彼氏があれだから心配だと思うけどさ、大切にしてやってよ」
水元先輩は、まあ、私が言うなって話なんだけどね!とにかっと笑って、軽く肩をすくめる。
「卒業…そっか、卒業ですね」
先輩が笑っているのに、私は逆に少し落ち込んでいく。
付き合えたことに浮かれて、すっかり忘れていたけど、泉先輩も、水元先輩も、もうすぐ卒業してしまうんだ。
その事実が急に胸にのしかかり、心臓がぎゅっと締め付けられる。
――え、まだ信じられない…。
目の奥がじんわり熱くなって、ぐっとこみあげてくるものを感じる。
「……!」
涙が出そうになり、思わずまぶたをぎゅっと閉じる。
その瞬間、水元先輩が軽く手を叩いて、少し困った顔で言った。
「泣いたらメイク崩れるよ!小鞠ちゃん!」
泣きそうな気持ちを必死に押さえながら、鏡の中の自分を見つめる。
涙がこぼれたら、せっかく完成したメイクが台無しになっちゃう。
でも、心の奥では、どうしようもなく切ない気持ちがじわじわ広がっていく。



