【完】ぜんぶ、ちょうだい。





「好きだよ、小鞠」



そしてもう一度そっと、好き、と呟きながら、今度は私の瞼に軽くキスを落とす。



「…っ、せ、せんぱい」

「ん?」



優しい顔で見つめられて、ずっと聞きたかった言葉なのに、心臓が暴れすぎて息ができないくらい。
嬉しくて嬉しくて、どうにかなりそう。


胸が痛い。
苦しい。

でも、涙も、胸の痛みも、全部が幸せの痛みで、思わず目を閉じて先輩の温もりを感じてしまう。



好きだよ、って。
小鞠、って。


その言葉が、何回も、何回も耳の奥で震えるみたいに再生されて、胸の中がいっぱいになる。


息をするたびに、その声が広がって、もう本当にこのまま死んでしまうのかも、なんて思ってしまった。

……いや、いっそ、死んでしまいたいって思うくらい、幸せでどうしようもなかった。