「ちょっと染みるけど我慢して」
先輩はそう言いながら、床に座り、私の膝を優しく拭き取って消毒してくれた。
思っていたより全然痛くなくて、ほっと胸をなでおろす。
その瞬間、同時に自分の不甲斐なさがじわじわと込み上げてくる。
こんな風に、弱くてかっこ悪いところを見せちゃった自分……。先輩、こんな彼女、いやだよね……。
心の中で小さく自己嫌悪。
「やっぱ痛い?」
しゅん、と落ち込んでうつむいていると、先輩が私の顔を覗き込むように聞いてくる。
眉が少し下がって、心配そうな表情に見える。
その瞬間、胸の奥がぎゅーっと締め付けられるような感覚。
先輩が自分のことを気にかけてくれている――それだけで、なんだか泣きそうなくらい胸がキューンとしてしまった。
「…痛いというか……迷惑かけてしまって、申し訳ないなって……」
こんなはずじゃなかったのに、心の中で何度もそう思う。



