【完】ぜんぶ、ちょうだい。




何が起きているのか分からないまま、私は金魚みたいに口をパクパクさせて、顔が一気に熱くなるのを止められなかった。



「…なっ…な、」



頭が追いつかない。心臓だけが暴走している。


そんな私を見下ろして、泉先輩はふっと余裕そうな笑みを浮かべる。


その表情を見た瞬間、またしても心臓が完全に破壊されて、足の力が抜けて、気づいたら、その場にズルズルとしゃがみこんでいた。



「じゃあ、放課後。校門で」



まるで何ごともなかったみたいに、先輩はそう言って、階段を下りていく。



「ずっ、ずるい~~っ!!!すきっっ……!!」



……なに、今の。

なにが起きたの。

わたし、今日ほんとに――命日になるんじゃ……!?