【完】ぜんぶ、ちょうだい。




先輩の頬が、ほんのり赤い。
気のせいじゃない。
ちゃんと、赤い。


それに気づいた瞬間、胸の奥が、きゅっと鳴った。


ずるい。
こんな顔、こんなこと言われて、何も思わないわけないじゃないですか。


照れてるのか、先輩は少しだけ顔を背けて、横目でじろっと私を見てきた。
その視線が刺さった瞬間、胸がきゅっと跳ねる。


そんな目で見ないでほしい。
期待しちゃうから。



「先輩、余裕そうだし……嫉妬とか、そういうの……しないと思ってました……」



冗談めかして言ったつもりだったのに、声が少し震えた。
本音が滲んでしまったのかもしれない。



「なんで?人並みに、するよ」

「だって、そもそも……」



喉が詰まる。
言っていいのか迷って、それでも止まれなくて。



「私が、一方的に好きなだけだし……」



言葉にした瞬間、胸の奥がひりっと痛んだ。
ずっと思ってたこと。飲み込んできたこと。

先輩、気づいてますか。
まだ一回も、私に「好き」って言ってくれたことないって。