【完】ぜんぶ、ちょうだい。




他愛もない話をして、少しずつ緊張が解けてきた。
心の中では「好き、好き、好き……」と連呼して、胸がぎゅーっとなっている。


そんなとき、突然、定員さんがやってきて、



「誕生日おめでとうございます…!」



って、いわゆるバースデープレートを私の前に置いた。



「へ?」



固まる私をよそに、先輩は少し笑いながら「おめでとう」と言って、ケーキを前に置く。

何が起きているのかわからなくて、口を開けたまま固まる私を見て、また笑う先輩。

お皿には「Happy birthday Komari」と書かれていて、イチゴやブルーベリーがたっぷりのショートケーキ。


定員さんが去っても、まだ理解が追いつかなくて、視界はだんだんぼやけていく。



「17歳?」



先輩の顔も、ぼやけてよく見えない。

掠れる声で、はいと返すと、先輩は笑って、泣くなよ、と言った。



「……だって、こんなのっ」



反則も、反則ですよ。
ずるいです。こんなの、ありですか。



「……っ、うっ……」



溢れる涙を必死に拭う。