【完】ぜんぶ、ちょうだい。




好きだなあ、かっこいいなあ、なんて思っていると、先輩がぽつりと「決めた?」と聞いてきた。

慌ててメニュー表に目を通す。
美味しそうなものばかりで、ケーキを決めきれない。

結局、とりあえずドリンクだけ注文して、あとからケーキを頼もうということになった。



「吉川」

「は、ひゃいっ」



なんでか緊張して、声がうまく出ない。返事もぎこちなくなってしまう。
すると先輩は、頬杖をつきながら顔を横に向けて、ふっと笑った。


か、かっこいいよう……。

先輩の笑顔で、全世界が溶けてしまいそうな気がする。こんな顔を見たら、誰でも恋に落ちると思う。



「……今日、デートみたいですね」



少し照れながら言うと、先輩は顔をほんの少し真面目にして、



「みたい、じゃなくて、そうなんだけど」



って。

もう、その言い方が私の心をぐっとくすぐるんですよっ!

頭の中がぐちゃぐちゃして、胸がぎゅーっと締め付けられて、笑いながらもどうにかなりそう。