一番奥の席に通されて、向かい合って座る。
そこで、さっきまで繋がっていた手が離れて、ほんの一瞬、胸の奥がきゅっとした。
自分でも驚くくらい、寂しい、なんて思ってしまったけれど、目の前に座る先輩を見たら、やっぱりどうしようもなく好きだって気持ちが溢れてくる。
「吉川って、ケーキとかどんだけ食べれる?」
急にそんなことを聞かれて、一瞬考えてから、真面目に答えた。
「……無限ですね」
先輩は少し目を丸くして、それから小さく笑う。
「頼もしい」
はは、と軽く笑いながらメニュー表に視線を落とす先輩。
私はメニュー表を持ち上げて、顔を半分隠しながら、こっそり先輩を盗み見た。
……あー、かっこいい。
この人が、今、私の彼氏です!って、全世界に向かって叫びたくなるくらい。
もちろん、そんなこと言えるはずもなくて、ただ心の中で何度も繰り返すだけ。
でも、それだけで、口元が勝手に緩んでしまう。



