「先輩とならどこでもいいです!一生ついていきます!」
勢いでそう言ったら、先輩は少しだけ眉を上げて、すぐに肩の力を抜いた。
「いや、今日だけでいいんだけど」
「そんな悲しいこと言わないでくださいよぉっ……!」
私が大げさに抗議すると、先輩は苦笑いみたいな表情をして、「とりあえず、行くよ」とだけ言った。
そしてそのまま、すっと歩き出してしまう。
軽くあしらわれたのがわかって、ちょっとだけ拗ねつつも、置いていかれないように若干速足で後をついていく。
先輩の背中は思っていたよりずっと大きくて、制服の上からでもはっきりわかる。
その背中を見ているだけで、なぜか安心してしまって、……大きくて、好きだなあ、なんて考えてしまう。
そのまま数歩進んだところで、急に先輩が立ち止まった。
勢い余ってぶつかりそうになり、慌てて顔を上げる。
「へ?」
振り返った先輩が、少し不思議そうな顔で言う。
「なんで隣歩かないの?」
「え?」
だって、それは……。
周りを見れば、同じ学校の人もちらほらいるし、何より、私みたいな人間が泉先輩の隣に並んで歩いていいのかなって、と小さな声でつぶやいた。
そんな私を見て、先輩は小さく、呆れたみたいにため息をつく。



