ぜんぶ、ちょうだい。


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ある日の放課後。

大量のプリントを抱えて、職員室へお届け中。

腕がちぎれそうなくらい重くて、 紙の角が地味に痛い。


残念なことに、今日は日直。
先生から「これホッチキスして職員室までお願いなー」って言われて。
断る隙もなく、はいはいって引き受けた。なんてついてない日。


しかも今日、泉先輩に会えてない。超バッドな日。

朝、寝坊して遅刻した私が悪いんだけどさ。

それでも、ちょっとくらい廊下で見かけたかった。教室の前を通るだけでもよかったのに。


泉先輩に会えない日は、なんだか空気が重く感じる。

プリントの重さも、倍くらいに感じる。


ちょっとずつ持っていけばよかったのに、横着して一気にプリントを抱えたのがそもそもの間違いだった。

腕に食い込む紙の重さに耐えながら、階段を上がる。あと少し。あと数段。



そう思った瞬間――



「キャー!!」



一段、踏み外した。盛大に、転んだ。