ぜんぶ、ちょうだい。




確かに顔はいい。いや、良すぎる。


無表情で、無口で、無感情で…それでも、誰かを助ける時だけ、静かに動く。


そんな人を、ただの“推し”なんて言葉で片付けられるわけがない。



私は、遠くから眺めてるだけじゃ足りない。


声をかけたい。名前を呼びたい。


目が合ったら、笑ってほしい。


それが無謀でも、無視されても、

それでも、私は今日も「おはようございます」って言う。



清水には、たぶん一生わからない。


この気持ちが、ただの憧れじゃないこと。



“好き”って言葉じゃ足りないくらい…泉先輩は、私の中で特別なんだ。



「あのね、私、泉先輩のことちゃんと好きなんだから。 そーいうこと言わないでくれる?」



机に肘をついて、ちょっと怒った声で言うと、清水はため息混じりに笑った。