もう、高校に入学してすぐの頃から、彼の噂は瞬く間に広がっていった。
これは、人気者になるのにも納得がいくわ....
しかも私の不注意でぶつかったのに、嫌な顔ひとつせず、私の心配までしてくれるとは...
さすがとしか言えなかった。
「なに?そんな見つめて。
見惚れちゃった?」
「み、みとっ....!?」
ま、まずいっ!
ボーッとしてたせいで、見すぎてしまった!!
しかも、今村の周りには数え切れないくらいの女子!
ヒシヒシと伝わってくるそんな女子たちからの視線。
....痛い。その視線、痛すぎますっ。
「ご、ごご、ごめんなさいっ!!!」
私は勢いよく頭を下げ、その場から走り出した。
「はあ、はあっ.....」
トイレの個室に駆け込み、上がった息を整える。
......っていうか!
『見惚れちゃった?』
なに、あの発言!!
やっぱり自分に自信があるんだ。
じゃなきゃ、あんな満足そうな顔しながらあんなセリフ飛び出したりしないもん!

