大嫌いなアイツとの恋愛事情





───ザアア....


雨は憂鬱。
分厚くて真っ黒に染められた空は気分までどんよりさせる。


傘は窮屈だし、朝から時間をかけて綺麗に準備したヘアもメイクも瞬く間に意味を無くす。



高校2年に上がって早2ヶ月。

梅雨真っ只中の6月中旬。



今日も朝から本格的な雨。



ぼんやりと自分の席から外を見つめる。



山城柚葉(やましろ ゆずは)。
何の変哲もない、平凡な高校生。



なにか、自己紹介して!って言われても難しいような、本当にどこにでもいる女子高生。



「ゆずーっ!!おはよー!」



そんな私に朝から元気な声をかけてきたのは私の一番の友だち。

宮下菜乃花(みやした なのか)。



元気で、無邪気で、明るい。
女の子からも男の子からも人気がある、そんな子。




「おはよー、菜乃花。
今日も雨だね....」



「髪の毛広がるし、サイアクー。」


綺麗なウェーブのかかった髪の毛をクルクルと指で遊びながら言った。



もう夏も間近。
気温も上がってきたこともあり、雨が降ると湿度もかなり上がるから、余計に嫌。

ベタベタするし。




「あーあ。もう、17の夏が間近に迫ってきてるって言うのに、彼氏もいないウチらって、もう青春捨てたようなもんだよね。」