大嫌いなアイツとの恋愛事情




アイツのことなんて擁護したくないけど。


少しもったいないな、とも思う。

ま、どうでもいいんだけど。


菜乃花と雑談しながらお昼ご飯を食べ、あっという間に授業5分前を告げる予鈴が鳴り響く。



そして隣にやってくるアイツ。


「あ、あの....」


「珍しいね、ゆずから話しかけてくるなんて。どしたの?」


.....一言多い。


イラッとして、言おうとした言葉を飲み込もうと思ったけど。



「あの、さっき。ありがとう。
助かりマシタ.....」



ここで何も言わないなんて、私の良心が許さない。



「まじで、気にしないでいいよ!
真面目なんだね。」


なんて、微笑む。



真面目、なんて自分で思ったことはない。


助けてもらってお礼を言うなんて当たり前のことだし。



「明日、お金返すから。」


「ええー!いいよあのくらい、気にしないで。」


「ダメ!それは、申し訳なさすぎる。」



さすがに奢ってもらうことはできない。


「まじでいいよ。」


「いや、明日持ってくるから。」



隣で納得いってなさそうな今村を無視して、前を向く。