そこに立っていたのが今村だったから。
本当に、サイアク....
さっき、今村にぶつかった時に落としたんだ。
彼の手に持たれていたのは紛れもなく私のハンカチで。
「あ、ありがと.....」
拾ってくれたんだし、一応感謝を述べる。
「いいえ、またね柚葉ちゃん。」
「なっ....!?」
サラッと下の名前....っ!
これだからチャラ男は.....
慣れない出来事に一瞬ドキッとしてしまった自分を恨みたい。
「えっ、なになに!?
どういう風の吹き回し?」
現状についていけてない菜乃花に先程の出来事を話す。
「えぇー、そんなことがあったんだ。」
まだ、あと半日学校あるのにかなり疲れてしまった.....
極力関わりたくなかったのに。
しかし、災難は続いた。
「よろしくね、柚葉ちゃん。」
あの出来事から1ヶ月後。
そう。
席替えで私は不運にもあいつの隣の席を引いてしまったのだ。
「ねえ.....なんでそんな、私の名前....」
「え?間違ってる?」
いや、そうじゃなくて.....
「そんな、仲良くないのに.....
下の名前で呼ぶのは、なんでかな、と....」

