幼なじみは一日十分、わたしを甘く溺愛したがる。


かわいいお花や木があるお庭。普通よりは少し大きい一軒家に、美緒ちゃんは住んでいる。

インターホンを押すと、すぐにドアが開いた。

明るい茶色の髪を高いツインテールにくくっている元気な少女が、顔を出す。

「やほ、月っち!」

「お邪魔します、美緒ちゃん!」

あ、ちなみに美緒ちゃんはわたしを呼ぶ時、「月ちゃん」「月」「月っち」と、その場の気分で呼ぶんだ。

美緒ちゃんについていって、お部屋に入らせてもらった。

白色の壁紙、紫色のベッド、勉強机、かわいいぬいぐるみ、中央に置かれたテーブル。