幼なじみは一日十分、わたしを甘く溺愛したがる。

お、お姫さまって……。

するとそれを見ていた凪翔兄が、不機嫌そうに口を挟む。


「燈のじゃなくて、月は俺の姫。軽々しく触らないでくれる?」


凪翔兄は、手を取っていた燈くんの手を無理やり解き自分の方にわたしを寄せる。

周りからきゃあっと声が上がって、わたしはすごく居心地が悪くなった。

う、うぅ……。