幼なじみは一日十分、わたしを甘く溺愛したがる。

「……やだ」

そ、そんなきっぱり断らなくてもっ……!

燈くんも顔にやだって書いてあるし、凪翔兄はもう声に出しちゃってるし。

合わない人の一人や二人いると思うけど、隠す努力ぐらいはしてほしいなぁっ……?


困っていると、登校中の生徒がたくさんいる大きい通路へ出た。

「ねぇ、あんな人、中学にいたっけ……?」

「多分高校生だよっ」

「すごいかっこいい……。話しかけたら迷惑って思われちゃうかな?」