幼なじみは一日十分、わたしを甘く溺愛したがる。

「いいの? 凪翔兄、歩いたり外出るの苦手なのに」

凪翔兄は、用事がない限り外に出たがらない。運動だって、してるところ見たことないもん。

それに、正直、一昨日や昨日のことがあって気まずい。

あれ、どういう意味なのか未だに謎だし……。

だから、ここで凪翔兄と別れて、燈くんと二人で学校行く方が楽なんだけど……。

「月がいるならこんなの余裕。じゃ、行こ〜月」

強引に手を掴まれて、結局、凪翔兄と燈くんとわたしという謎メンツで行くことになってしまった。

右に凪翔兄、真ん中にわたし、左に燈くんという並び順だ。