「えっ……?」

固まっていると、凪翔兄がくすっと笑った。


「本気だからね? 俺、月がいないと生きていけないから」


そ、それは……どういう意味?

ただたんに、わたしの家にお世話になってるから……だよね?

なら、凪翔兄の言葉の正しい意味は、「月がいないと」ではなく「月や星さんがいないと」だ。


「さっきの言葉の返事、待ってる。まぁ、『はい』しか受け付けないけど」


凪翔兄はにこっと笑うと、ボーッと突っ立っているわたしを残し、自分の家へ入っていってしまった。