幼なじみは一日十分、わたしを甘く溺愛したがる。

わたしは卵焼きが喉につまらないようにあわててお茶を飲み、それでもおさまらず、ごほっと咳き込む。


「あぁ、凪翔くんもね。そういえば凪翔くんかっこいいし、彼女いるのかしら?」

え……。

そ、そうだ。凪翔兄だって普通の高校生だし、彼女いたっておかしくないよね。

今まで、なんでそのことに気づかなかったんだろう……。

なぜか不安になって顔を覗き込むと、凪翔兄は平然と微笑んでいた。


「まさか。俺にいると思います?」