幼なじみは一日十分、わたしを甘く溺愛したがる。

ぐるぐると考えるわたしを知らずに、隣に座っている凪翔兄は笑いながらカレーを食べている。


「これ、辛いものが好きじゃない俺でも食べれるや。さすが星さん!」

「ふふ、ありがとう。そうだ凪翔くん、お昼に出した卵焼きも余っているんだけど、食べるかしら?」

「え、食べた〜い! あれ、めっちゃ美味しかったもん!」


きらきらと目を輝かした凪翔兄。

わたしはそんな凪翔兄を横目に、俺のもの……凪翔兄のものに……わたしが……なる……? と思考中だ。

「月、卵焼き食べる?」