幼なじみは一日十分、わたしを甘く溺愛したがる。

「あ、俺は見せつけたい派なんだけど、月は内緒にしたい派?」


だっ……ダメだ、話が伝わってない!

ぐぬぬぬ……とうなっていると、凪翔兄がくすっと笑った。

「やっぱり、月と一緒にいる時がいちばん楽しい」

え……急にどうしたんだろう。

「あ、ありがとう?」

「うん。……だからさ」

凪翔兄はわたしから顔を離すと、わたしの手をきゅっと握った。