幼なじみは一日十分、わたしを甘く溺愛したがる。

恐る恐る頷くと、凪翔兄はにこっと笑った。

……そして、ダンっとわたしの顔の横に手をつく。

えっ……?

「わかってんじゃん」

凪翔兄の目が、笑ってない。

逃げようとするけど、両側を手で塞がれてしまっていて逃げられなかった。


「な、凪翔兄っ……?」

「月」