幼なじみは一日十分、わたしを甘く溺愛したがる。

忘れるところだった……凪翔兄に感謝だっ!

ノートを受け取りに駆け寄ると、凪翔兄はわたしの手を引っ張り自分の方へよせ抱きしめる。

な、凪翔兄……?

「ひ、人前だよっ……」

「あいつ誰?」

あいつ……って、燈くんのこと?

凪翔兄が「あいつ」なんて強い言葉を使うのは珍しくて、目を瞬く。


「天川燈くんだよ。クラスメイトの」