幼なじみは一日十分、わたしを甘く溺愛したがる。

耳元で、そう囁かれる。

いつもの凪翔兄の声じゃなくて、もっと低い声。ぞくっとしてしまった。

「な、凪翔兄……?」

「こんなに何年もアタックしてるのに、全然男として意識してくれない」


な、何言ってるの……?

「凪翔兄が男の子ってことは、もちろん知ってるよ……?」


不思議になってそう伝えると、くすっと凪翔兄の笑った声が聞こえた。