勇気を出して言ってみると、凪翔兄は目を瞬いたあと、ぎゅううっと強くわたしを抱きしめた。

「俺、今日が命日かも……」

え、えぇっ……。

「退院直後に、縁起でもないこと言わないでっ……」

「あはは、ごめんごめん。月とずっと一緒にいたいから、ちゃんと生きるよ」


凪翔兄はそう言うと、わたしを離した。

そして、リビングへと向かっていってしまう。