幼なじみは一日十分、わたしを甘く溺愛したがる。

そしてわたしを見たとたん、まるでとても愛おしいものを見るみたいに、目を細める。

──ドキッ。


「ただいま、月」


凪翔兄は玄関に入ってドアが閉まったのを確認すると、わたしをぎゅっと抱きしめた。

わっ……!


「あー、かわいい。俺の彼女、なんだよね?」