幼なじみは一日十分、わたしを甘く溺愛したがる。

固まっていると、凪翔兄に肩をトンと押された。


そのままその力がどんどん大きくなってきて……わたしは、凪翔兄に押し倒された格好になる。

……ん? 押し倒された、格好に?

自分で考えたことなのに、疑問形になってくり返してしまった。


いや……だって、え? 何が起こっているの?


「月って、ほーんと鈍感だよね」