幼なじみは一日十分、わたしを甘く溺愛したがる。

燈くんのこと、好きだよ。大好き。……でも、それが恋心かって訊かれると、ちょっと違くて……。

わたしはきっと、燈くんに友情としての好きしか抱けない。

だって、わたしが特別好きな人は……

って、あれ? わたし、何を考えてるんだろう。


好きな人は、わたしにはいないはずなのに。

自分の思考に疑問を抱きながらも、わたしは言葉を選び間違えないように、ゆっくりと言葉を紡ぐ。


「……ごめんね、燈くん。わたし、燈くんに、恋心を抱けそうにないんだ」