幼なじみは一日十分、わたしを甘く溺愛したがる。

「ん?」

「もしも、わたしが誰かと付き合うことになったら……どうする?」


なんてこともないように訊いたつもりだった。けれど凪翔兄は、バッと体を起き上がらせる。

お、驚かせちゃったかなっ……。


「月、彼氏できたの……?」

「う、ううん、まさかっ。ただ訊いてみただけだよ」


首を横に振ると、凪翔兄はほっと息をついた。