戸惑いながらも、ゆっくりぽんぽんと頭を撫でてくれた凪翔兄。

本当に……、キスっ……されなくて、よかった……。

「……月、ここは車の邪魔になっちゃうから……月の家行くよ?」

凪翔兄の言葉に、こくんと頷いた。

すると、凪翔兄はそっと離れるとわたしの体を持ち上げる。

えっ……?

「あ、ごめん。持ち上げられるの、嫌だった?」

わたしはふるふると首を横に振る。