幼なじみは一日十分、わたしを甘く溺愛したがる。

凪翔兄は、海津さんを睨む。


「月に触んなっ……!」


こんな声、聞いたことない。

それぐらい、わたしのために怒ってくれてるんだってわかった。

海津さんは、凪翔兄を見て顔をゆがめる。

「えー、彼氏いたの? つまんな」

そう言って、海津さんはわたしたちから去っていく。