幼なじみは一日十分、わたしを甘く溺愛したがる。

嫌っ……このままじゃ……わたしっ……。


「やっ……凪翔兄っ──」

その時に、なぜ凪翔兄の名前が出てきたのかわからない。

ただ、凪翔兄なら来てくれる気がして、ぎゅっと目をつぶったその時だった。


「月!」


……凪翔兄の、声がしたのは。

足音が聞こえてきて、目を開けたら……ぎゅっと抱きしめられた。