幼なじみは一日十分、わたしを甘く溺愛したがる。

凪翔兄より年上の人、かな。

なんとなく、怖い雰囲気をまとっている。

けれど、その印象とは裏腹に、その人はふわっと微笑んだ。

「わー、ありがと! これ、なくすとめっちゃ困るんだよね〜。ほら、イヤリングって片方なくすともう片方も使えなくなっちゃうじゃん?」

す、すごい喋る人だっ……!

優しい人みたいで、よかった……。


「確かにですっ……! では、わたしはこれで」

「あ、ちょっと待って」