俺は月を追いかけようと、靴を履き外へ出た。

けれど月も早足で階段を駆け下りてしまったのか、もう下にいる。

ちょうど、二階の廊下から見えるところ。燈に駆け寄る月を見つけた。


黒色の綺麗な髪、ぱっちりとした目、細い体。本人は自覚してないようだけど、めちゃくちゃかわいい。

だから、中学に通わせたくなかったのに……。

一時期、わざと留年して同じ中学にそのまま通おうかと思ったぐらい、月を一人で中学に通わせるのを心配した。

もちろん不審者とかにも気をつけてほしいけど……一番面倒なのが、月を好きになる男子が増えること。