「行ってきまーす」


好きな人の……月の声が玄関から聞こえてきて、俺・柊凪翔は座っていたソファから立ち上がる。

今日も燈が来るなら学校まで送りに行こうかと思ったけれど、俺の姿を見たとたん月に目をそらされ、素早く外へ出ていってしまった。


……やっぱり、そうだよなぁ。

昨日、月に無理やりキスしたから。それから、月に避けられてしまっている。

自業自得だけど、好きな人に避けられるのは結構こたえる。