「そっか」

──ズキ。

自分で選んだ答えなはずなのに、凪翔兄を傷つけたかもしれないって思うと、今からでも取り消したくなる。


……でもね。凪翔兄だってわたしを傷つけたんだから。

初めてのキスは、わたしが好きになった人……そしてちゃんとわたしのことを本気で好きな人と、したかった。

わたしたちはお互い黙ったまま、お母さんの待つリビングへ向かった。