「エレノア、私に心を開いてください。私は今日はあなたと心を通じたと感じるまで帰るつもりはありません。姉上のことをサム国の国民は確かに好意的に見てますね、エレノアのように。でも、姉上は恋人の護衛騎士をしっかりとアツ国まで連れて行っているのですよ。まるで国の犠牲になるかのような結婚をした清廉潔白な姫を演じているだけの淫猥な女です。彼女を見てきているので私は女性というものを信用できません。例え騙されても愛し抜きたい女性に出会いたいとずっと思ってました。それがエレノアあなたです」
窓に映った幼い自分の姿と、私を必死に口説こうとしてくる王太子を見て思わず笑いそうになる。
彼は自分の知能の高さを女を口説くために使っているようだ。
「そうですか、殿下はお姉様の行動に心を痛め女性不審になった被害者なのですね。私があなたの心を癒して差し上げられれば良いのですが」
私は王太子殿下の海色の瞳をじっと見つめながら、彼の太ももに手を置いた。
10歳の私にこんな演技をさせる彼に不快感しか湧かない。
彼を帰らすのに魅了の力を使えば良いが、この力はできるだけ使いたくない。
なんだか力を使うたびに、自分は人間ではないのではないかと酷く虚しい気持ちになる。
孤児院の野良猫と呼ばれようと気にはならないが、私は自分自身のことだけは誇りを持った人間であると思っていたい。
「私の心の傷を分かっていただけたのですね。愛しています、私だけのエレノア」
王太子殿下は任務完了とばかりに私の額に軽く口づけをした。
窓に映った幼い自分の姿と、私を必死に口説こうとしてくる王太子を見て思わず笑いそうになる。
彼は自分の知能の高さを女を口説くために使っているようだ。
「そうですか、殿下はお姉様の行動に心を痛め女性不審になった被害者なのですね。私があなたの心を癒して差し上げられれば良いのですが」
私は王太子殿下の海色の瞳をじっと見つめながら、彼の太ももに手を置いた。
10歳の私にこんな演技をさせる彼に不快感しか湧かない。
彼を帰らすのに魅了の力を使えば良いが、この力はできるだけ使いたくない。
なんだか力を使うたびに、自分は人間ではないのではないかと酷く虚しい気持ちになる。
孤児院の野良猫と呼ばれようと気にはならないが、私は自分自身のことだけは誇りを持った人間であると思っていたい。
「私の心の傷を分かっていただけたのですね。愛しています、私だけのエレノア」
王太子殿下は任務完了とばかりに私の額に軽く口づけをした。



