「すみません。エレノアのダメだということはしませんので結婚したいです。でも、実際、今のサム国の状態でいつ結婚できるかわからないですよ。エレノアはそれでも良いのですか?」

彼はまた性欲に脳を侵されはじめたようだ。

別に私は今すぐ彼に抱かれたいなどと、これっぽちも思っていない。
自分が今すぐ私を抱きたいから、私もそうだよねと同意を求めている彼は相変わらずだ。

「別にそんなものは全くなくても良いと思っています。そんなことばかり考えているならば、そういうことをするのは結婚式の夜の1回だけとします」

レイモンドの能力を最大限に生かすには、彼の脳を常にクリアーな状態に保たねばならない。

「エレノア、1回では子供はできませんよ。私はエレノアと結婚したら1週間は寝室に篭る予定です。」
やはり彼はいつだって正直だった。
自分の気持ちを正直言いすぎて彼の言葉にはいつも引いてしまう。