「エレノアは帝国の要職試験を受ける気なのですか? 帝国の首都でフィリップと一緒になろうとしていますね?」
馬車に乗るなり、隣に座ってきて攻め立ててくるレイモンドにため息が漏れる。
アカデミーには彼のスパイが潜んでいるということだ。
先程、フィリップ王子の部屋でした会話を何故か彼が知っている。
扉の前で聞き耳を立てていた生徒でもいるのだろうか。
「帝国の要職試験を受けることは選択肢の1つとして考えております。帝国の中枢に食い込めれば、私を幸せにしてくれたサム国の民に恩返しができるからです。私は行政部を希望しようと思っております。レイモンドはどうして私とフィリップ王子をくっつけたがるのですか? 私の恋を応援してあげたいなど考える方ではないと記憶しているのですが⋯⋯」
近い距離にレイモンドの顔があって、私は恐怖で震えあがるのを耐えながら話した。
邸宅まで30分も馬車という密室で彼といなければならない。
私は彼にベッドで押し倒されて以来、彼に対して恐怖心を抱くようになっていた。
彼と一緒にいるのが居心地が良いと思ったことが遠い昔のことのように思えてくる。
やはり体格差のある彼に突然、組み敷かれたのはトラウマになっている。
私の心に傷をつくったことなど気にもせず、自分は私を愛しているから一緒にいたいなどと言ってくる彼は本当に理解できない。
愛しているなら、なぜ私の気持ちを思い遣ったりしようという発想にならないのだろうか。
馬車に乗るなり、隣に座ってきて攻め立ててくるレイモンドにため息が漏れる。
アカデミーには彼のスパイが潜んでいるということだ。
先程、フィリップ王子の部屋でした会話を何故か彼が知っている。
扉の前で聞き耳を立てていた生徒でもいるのだろうか。
「帝国の要職試験を受けることは選択肢の1つとして考えております。帝国の中枢に食い込めれば、私を幸せにしてくれたサム国の民に恩返しができるからです。私は行政部を希望しようと思っております。レイモンドはどうして私とフィリップ王子をくっつけたがるのですか? 私の恋を応援してあげたいなど考える方ではないと記憶しているのですが⋯⋯」
近い距離にレイモンドの顔があって、私は恐怖で震えあがるのを耐えながら話した。
邸宅まで30分も馬車という密室で彼といなければならない。
私は彼にベッドで押し倒されて以来、彼に対して恐怖心を抱くようになっていた。
彼と一緒にいるのが居心地が良いと思ったことが遠い昔のことのように思えてくる。
やはり体格差のある彼に突然、組み敷かれたのはトラウマになっている。
私の心に傷をつくったことなど気にもせず、自分は私を愛しているから一緒にいたいなどと言ってくる彼は本当に理解できない。
愛しているなら、なぜ私の気持ちを思い遣ったりしようという発想にならないのだろうか。



