ダンテ様を前にして、切れ者であって欲しい時にレイモンドの脳をまた性欲に侵しはじめてしまった気がする。
「エレノア様、エレナ様から伝言です。魅了の力の発生原因は公爵邸に咲く赤い花の花粉を妊婦が吸うことだったわ。私の弟に薬を作ってもらっているけれど、副作用が強く治験に時間がかかっているの。獄中出産をした妊婦の赤子を使っての治験になるので、赤子の人権の問題にも関わってきて時間がかかりそうよ。あなたが16歳になるまでには間に合わせてあげるから安心して待ってなさいな、とのことでした」
ダンテ様がアーデン侯爵令嬢の伝令を彼女の口真似をしつつ伝えてくる。
私はアーデン侯爵令嬢からの伝言に心が震えた。
彼女は魅了の力を消す薬を作ってくれていたのだ。
思わず涙が溢れてくる、あと、3年我慢すれば魅了の力から自由になれるのだ。
「アーデン侯爵家に弟君がお生まれになっているのですね」
私はアーデン侯爵令嬢に弟がいることなど知らなかったのに、彼女は私のことを心に留めてくれていたのだ。
こんなに嬉しいことはない。
「エレナ様の言う弟とは、実は俺の大切な弟でした。エレナ様は特別優秀で性格も良い俺の弟に目をつけて、強引に奪いアーデン侯爵家の養子にしました。彼女は恐ろしいほど美しい女ですが、俺には酷いことをたくさんしてきます。最初半年は俺について外交を教えると言って出かけたくせに、半日で馬車から降りて外交のコツは洗脳と暗殺だと言い残して去った女です。陛下と弟には優しいのに、俺には厳しいのです。俺は癒しを必要としています。エレノア様、あなたに決めました。俺についてきて一緒に暮らしませんか、あなたを膝の上で撫でて可愛がりながら暮らす夢を今見ました」
急に私の隣に座ってきて、手を握りしめながら言ってきた彼を恐ろしいと思った。
そして、彼もレイモンドと同じくずば抜けた天才で、恐ろしいほど気分屋な上に自分勝手に人を巻き込む人のようだ。
このレベルの優秀さと自己中心的なところがあれば魅了の力にはかからないだろう。
彼が爽やかに見えるのは明るい水色の髪と水色の瞳をしているせいだ。
髪を想像の中で黒くしたら、一気にチンピラに見えてくる。
同じチンピラなら、私を幸せにしてくれたサム国のチンピラが良い。
「誠に光栄ですが、申し訳ございません。私はサム国でレイモンドと一緒にいたいのです」
私の言葉に隣のレイモンドがときめいているのが分かった。
「エレノア様、エレナ様から伝言です。魅了の力の発生原因は公爵邸に咲く赤い花の花粉を妊婦が吸うことだったわ。私の弟に薬を作ってもらっているけれど、副作用が強く治験に時間がかかっているの。獄中出産をした妊婦の赤子を使っての治験になるので、赤子の人権の問題にも関わってきて時間がかかりそうよ。あなたが16歳になるまでには間に合わせてあげるから安心して待ってなさいな、とのことでした」
ダンテ様がアーデン侯爵令嬢の伝令を彼女の口真似をしつつ伝えてくる。
私はアーデン侯爵令嬢からの伝言に心が震えた。
彼女は魅了の力を消す薬を作ってくれていたのだ。
思わず涙が溢れてくる、あと、3年我慢すれば魅了の力から自由になれるのだ。
「アーデン侯爵家に弟君がお生まれになっているのですね」
私はアーデン侯爵令嬢に弟がいることなど知らなかったのに、彼女は私のことを心に留めてくれていたのだ。
こんなに嬉しいことはない。
「エレナ様の言う弟とは、実は俺の大切な弟でした。エレナ様は特別優秀で性格も良い俺の弟に目をつけて、強引に奪いアーデン侯爵家の養子にしました。彼女は恐ろしいほど美しい女ですが、俺には酷いことをたくさんしてきます。最初半年は俺について外交を教えると言って出かけたくせに、半日で馬車から降りて外交のコツは洗脳と暗殺だと言い残して去った女です。陛下と弟には優しいのに、俺には厳しいのです。俺は癒しを必要としています。エレノア様、あなたに決めました。俺についてきて一緒に暮らしませんか、あなたを膝の上で撫でて可愛がりながら暮らす夢を今見ました」
急に私の隣に座ってきて、手を握りしめながら言ってきた彼を恐ろしいと思った。
そして、彼もレイモンドと同じくずば抜けた天才で、恐ろしいほど気分屋な上に自分勝手に人を巻き込む人のようだ。
このレベルの優秀さと自己中心的なところがあれば魅了の力にはかからないだろう。
彼が爽やかに見えるのは明るい水色の髪と水色の瞳をしているせいだ。
髪を想像の中で黒くしたら、一気にチンピラに見えてくる。
同じチンピラなら、私を幸せにしてくれたサム国のチンピラが良い。
「誠に光栄ですが、申し訳ございません。私はサム国でレイモンドと一緒にいたいのです」
私の言葉に隣のレイモンドがときめいているのが分かった。



